小説執筆日記

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1月5日

物語を物語る その4 ストーリーについて

 こんにちは。そしてあけましておめでとうございます!

 新年早々、物語を物語る最後として、ストーリーについて語ろうと思います。

 そもそもストーリーとは一体なにか? 皆さんは考えたことありますか?

 その答えは人によって異なると思います。

 人によってはキャラクターが行動する理由を語るものと捉えるものもいれば、元々書きたいストーリーがあって、それにそってキャラクターを作ったと言う方もいると思います。

 その場合、ストーリーに加えて、キャラクター、舞台の三つのうちどれから作るかによっても変わってくると思います。

 私の場合、書きたい舞台、ストーリー、キャラクターの順に作品を作ります。

 元々クロガネ・ジェネシスを書き始めたのも、シリアスなファンタジーものを作りたいと思ったのが始まりでした。

 そして、ファンタジーものの王道として旅ものを書こうと思ったわけですが、旅をするにはキャラクターが旅をする動機(理由)が必要になるわけです。

 私の場合キャラクターに旅をさせたい→旅をさせる理由となるストーリーは何か? となり、キャラクターが動く動機としてストーリーを書いていることになります。

 このようにストーリーを作る理由は舞台、キャラクター、ストーリーの三つのうちどれを最初に作るかによってわけられることになると思います。

 しかし、これらはイコールであってイコールではないとも思っています。

 舞台、キャラクター、ストーリー。これらは全て相互に絡み合う関係でなければ物語としては失敗だと思うからです。

 どういうことかというと、それぞれ過不足なく絡み合うことで、物語は作られます。

 これらのうち1つ……または2つ以上上手に絡み合わない場合、その作品は目の肥えた人間から見たら薄っぺらい作品に見えてしまうのです。

 最近多い、萌え系統のアニメやゲーム、ライトノベルがそうです。

 特に学園を舞台としたものではキャラクター以外の二つがほとんどおざなりになりがちな気がするのです。

 あくまでこれは私の偏見による意見ですが、大半の作品が「○○町or○○市の△△の学園」的な程度しか舞台(=世界観)が練られていないように見えます。その時点で他の多くの学園ものと同じパターンに見えてしまいます。

 ストーリーについても同じことが言えます。

 キャラクターのバックグラウンドが多少違うだけで、後はほぼおんなじと言うパターンが多い気がするのです。

 こう言ってはなんですが、他の作品と明らかに違うぞ! って言うものが所見ではとてもわかりにくいのです。

 これは学園ものでは特に顕著な特徴で、売りにしているのがほぼキャラクター同士の絡みに依存しているものが多く、舞台もストーリーもおざなりとなっているのです。

 私もアニメやゲーム系統に限って考えた場合オタクに該当する人間ですが、見る作品はかなり選んでます。

 理由は前述の通りキャラクター以外に見るものがほとんどないからです。

 1.キャラクターが可愛い。
 2.それを見たい。

 この二つがエンドレスしてるだけの作品がいかに多いことか……。

 しかし、舞台については仕方がないかと妥協する一面もあります。

 学園ものの舞台なんて、学園さえあればとりあえず書けるからです(最もモデルにする町などをしっかり調べたりしないと恥をかくことになりかねませんが)。

 では、キャラクターに魅力があることが売りの作品に足りない、舞台とストーリーの練りこみ。学園ものでこれらがしっかり関わりあっていて見ていてとても面白い作品を二つほどあげてみたいと思います。

 なおここで言う学園ものとは=学び舎を舞台にしているものと考えていただいて結構です。

 1.グリーングリーン
 2.ひぐらしのなく頃に

 今ざっと考えただけでこれだけ出てきました。

 グリーングリーンは舞台が山奥の学園で、男子校に女子が特別編入してくるところから始まる物語で、その特殊な環境におかれて、女に飢えている男達が彼女ゲットのために奮闘する様が面白い作品で、女子キャラだけでなく、男キャラもほぼ同等に扱われています。

 舞台が山奥。キャラクターは女子キャラだけじゃなくむさくるしい男にさえ魅力を持っていて、ストーリーはそんな少年少女達の青春を中心としたものになっていてとても共感が持てる。そして、そんな男達の奮闘する様が面白いのです。

 まさにストーリー、キャラ、舞台。それぞれが適切に絡み合うからこそ生まれる面白さです。

  グリーングリーンは舞台があって、成り立ち、暴走する男達で笑い、女子キャラクターに魅力を感じることが出来ます。

 そして、これは舞台が山奥の男子校、それ故に飢えた男達と言う二つがなければなり経たないのです。

 そして、暴走する男達のおかげでストーリーが成り立つ。

 まさに物語の必須要素を完全に満たしていると言えるのです。

   ひぐらしについては説明いらなくね? と思う人や、「そもそもこれ学園ものか?」と思う人がいるかもしれません。

 そう思うのは当たり前かもしれません。なにせ、ひぐらしのメインはミステリーとホラー。学園ものと言うジャンルに分けて考えることが出来るかどうかという時点で微妙な話です。

 しかし、私は思う。田舎か都会かと言う違いはあれど、基本的な舞台が学び舎である時点でそれは学園ものと言えるのではないかと。

 先にも言ったようにここでは学園=学び舎を舞台にしたものと言う解釈で考えています。その考え方で行けばひぐらしのなく頃にもまたこの場で取り上げるに相応しいものと考えます。

 ひぐらしは舞台=山奥の寒村 キャラ=みんなアクが強い+特殊な環境化におかれた少年少女達 ストーリー=ミステリー+ホラー色が強い内容。  と、これまた三つとも過不足なく絡み合っています。

 主人公は都会から転向してきた人間というのも作品を盛り上げる1つの要素になっています。

 主人公が転校生で舞台が寒村だから、とあるシナリオでプレイヤーは、主人公を通して強い恐怖と孤独感を味わうことが出来る。

 また、作品世界とキャラクターのバックグラウンドは密接に関わっており、この作品の舞台が普通の学園であった場合描くことの出来ない要素がたくさんあるのです。

 ストーリーは前半とても楽しかった日常ががらりと崩れ去ることによる恐怖感、孤独感をプレイヤーに味あわせるものであり、これらもあらかじめ作られた舞台装置がしっかり起動しているから面白いのです。

 上記二つは本当に特殊な世界観と、それゆえに発生するストーリーが根幹をなしており、全てが完璧にマッチしています。

 ここまで書いておいてなんですが、私は舞台と言うものは、キャラやストーリーよりも優先度が低いと考えています。

 学園もので舞台が他とほぼ同じような形に終始してしまうのは、先にも言ったとおり、他に書きようがないからなんです。

 なので、舞台については仕方がないでしょう。

 しかし、ストーリーは別です。

 シナリオライターや原作者がストーリーを書く動機はさっきも言ったとおり、「何を書きたいか」、によって変わります。

 しかし、何を書くにしろ、本当に面白い内容にするために必要なのは、舞台であり、キャラクターであり、ストーリーです。

 これからシナリオを書くことや小説の執筆に挑戦すると言う人は、「何故その舞台でなければならないのか?」、「何故そのキャラクターなのか?」、「そういうストーリーになるのは何故か?」

 と言うことを考えた上で執筆して欲しいと思います。

 この日記を読んで、自分が楽しむためだけのオナニー作品にならないように考えるいい機会になればと思います。

 以上です。なお、ここで書いたことは私一個人の考え方ですので、抗議等は一切受け付けませんので、その辺よろしく!

 では!

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